瞑想サウナ

第二十七話

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第二十七話

     間もなく東の空が白んでこようかとしていた時、平松の兄のスマホが鳴った。 「コーちゃん、あなた今東京にいるんでしょ」  聞こえてきたのは「先生」の声だった。 「今、京王プラザで有志が集まってオ … 続きを読む

第二十六話

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第二十六話

     有田は、目の前のカーテンを指でわずかに捲ると、そこからスマホをそっと差し入れた。  平松の兄は床に跪き、女装子のイチモツの前で大きく口を開いている。  有田がムービー録画のボタンを押した直後 … 続きを読む

第二十五話

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第二十五話

     「先生」に奥を突かれたキャバ嬢は「ああん」と切ない声を出して快感に顔を歪めた。  苺香の体内に埋まっていたゆきのイチモツは、それを見て嫉妬し、一層硬さを増していった。  「先生」は、自分が挿 … 続きを読む

第二十四話

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第二十四話

     ホテルベルクラシックに着いた平松は、兄が泊まっている部屋のドアをノックした。  だが、兄からの応答はない。  時刻は午前3時を過ぎていた。3日後に皆既日食になるはずの12日目の月は、西の空に … 続きを読む

第二十三話

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第二十三話

     「ああ、硬い…」  京華は上擦った声でそう言いながらゆきのイチモツの先端にそっと指を絡めた。  中指で、先端の小さな裂け目から溢れ出していた粘液を掬うと、その指を口に咥えて粘液を味わった。 … 続きを読む

第二十二話

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第二十二話

     個人タクシーの運転手が思い切りブレーキを踏むと、ABSの作動したクラウンはカクンカクンと振動しながら停車した。  だが、それは人を撥ねた後だった。  言問通りと国際通りの交差点のほぼ真ん中に … 続きを読む

第二十一話

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第二十一話

     白衣の女は、以前群馬のホテルで会った苺香だった。  柏木にとって、初めての異性間セックスの相手だ。  「先生」の言うマゾの美人とは苺香のことだろうか。  それならそれで文句はない。ゆきは、苺 … 続きを読む

第二十話

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第二十話

     駒込駅を降りて、山手線の線路沿いを巣鴨方面に2分も歩くと、その建物はあった。 『駒込ラドンプラザ』  建物の入り口には、そう小さく書いてある。文字が小さいのは、一般の人が、スパと間違えて入ら … 続きを読む

第十九話

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第十九話

    「あの、柏木由紀に似ている人いますか」  柏木は恥を忍んで、店の前に立っていた黒服に話し掛けた。  1人でキャバクラに行くのは、柏木にとって初めてのことだった。普通なら、そんな勇気はない。   … 続きを読む

第十八話

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第十八話

    「電話なら出ていいぞ」  有田が言った。 「いや、大丈夫です」 「どうして出ないんだい。まさか女か、柏木君。オレに聞かれちゃあマズい電話かな」  いつもの有田なら、撮影中に柏木が電話に出ること … 続きを読む

第十七話

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第十七話

   柏木が、初めてセックスを経験してから半年以上が経った。  その間も、それまでと同じように編集部で働き、週に一度は、仕事帰りに自宅近くのスーパー銭湯に寄った。  瞑想サウナで、畳んだタオルを膝に乗せ、イチモ … 続きを読む

第十六話

瞑想サウナ

第十六話

   ナースは、ゆきのモノの根元付近を、人差し指と中指の2本で握ると、先端をパクリと口に含んだ。  緊張から、硬くなり切れていなかったゆきのモノは、舌先に転がされるように、ナースの口の中でゆらゆらと動いた。   … 続きを読む

第十五話

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第十五話

  『多々良書店』は、地方の街道沿いによく見掛けるような、アダルト書店の類の店だった。 チェーン展開しているような大型の店ではない。 入ってすぐ左手のエリアに、数人の客が集まっていた。 女装子が2人に、純男らし … 続きを読む

第十四話

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第十四話

  男は、口の中に溜まった液体をゴクリと一気に飲み干すと、ゆきのイチモツに吸い付いて滴を啜った。 そうしたまま、床に膝をついて、カチャカチャとベルトを外した男は、ズボンを下ろし、血液が充満したイチモツを露出させ … 続きを読む

第十三話

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第十三話

  柏木が、東武線に乗って、館林に向かったのは、東京に記録的な大雪が降った3日後のことだった。 初めての館林駅に降りた柏木は、まず、出来て間もないという、日清製粉の博物館に寄った。 館林という街は、どうやら日清 … 続きを読む

第十二話

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第十二話

  「なんで男が女の格好なんかするんですかね」 柏木は、そう有田に返答した。 「バカだな、柏木君も。それを理解するために映画見に行ったんじゃなかったのかい」 有田に、バカと言われることにはもう慣れていたから、柏 … 続きを読む

第十一話

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第十一話

  デスクに座り、読者からの問い合わせのメールに返信していた柏木に、平松から声が掛かった。 「柏木君、この映画知ってるか」 平松が手にしていたのは、『僕の中の男の娘』という映画の招待券だった。 「今、世間では、 … 続きを読む

第十話

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第十話

  ゆきは舌の先に、わずかなしょっぱさを感じた。 それは、有田の先端から溢れ出た粘液の味だった。 ゆきが、男のモノの味を初めて知ったのは、はじめて黄金会館に行った日の前の夜、瞑想サウナで男に咥えさせられた時だ。 … 続きを読む

第九話

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第九話

  仮眠室には誰もいなかった。 入り口のドアが閉められると、ゆきと有田二人切りの空間になった。 有田は、ゆきの手を引いて、奥のソファへと連れていく。 有田の手が柔らかいと、ゆきは思った。 ゆきは、編集者の柏木と … 続きを読む

第八話

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第八話

    有田は、 「何か飲まれますか。ボク、奢りますよ」 と、ゆきに言うと、自分は、ジントニックを注文した。 カウンターの中で接客しているのも、女装子だ。 ゆきは、有田とは目を合わせないようにしながら … 続きを読む

第七話

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第七話

   池袋駅の北口には、狭い路地を挟んでラブホテルが建ち並ぶ一角がある。  9月のある日の夜、どこからともなく漂ってきた金木犀の匂いが、ラブホテル街を歩く柏木の足を止めた。  あたりを見回しても、金木犀の木も花 … 続きを読む

第六話

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第六話

  黄金会館は、5階建てだった。 2階には、ビデオを流す映写室があった。 映写室のスクリーンに映っていたのは、太った中年の男同士が、シックスナインをしている姿だ。 20脚ほど並んだ、リクライニングソファーには、5、6人の … 続きを読む

第五話

瞑想サウナ

第五話

  2人の男は、座っている柏木の前、80センチのところで立ち止まった。 外国人の方が、もう一人の男のイチモツを握る。すると、握られた男も、右手で外国人のモノを握り、左手で、外国人の乳首を摘んだ。 2人の間に、会 … 続きを読む

第四話

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第四話

カメラマンの有田が、大きなソフトボックスの付いたストロボを動かすと、柏木は、セコニックの露出計を手に取って、有田に渡した。 その日、柏木は、2ヶ月振りに、撮影の現場に来ていた。 スタジオは、芝公園にある、一見普通のマンシ … 続きを読む

第三話

瞑想サウナ

第三話

翌日、柏木は、編集長の平松に、取材に出掛けるとだけ言い残し、一人で上野に向かっていた。 上野に着いて、広小路口の改札を出ると、4、5分歩いたところに、すぐに目的のビルを見つけることができた。 柏木は、それまでも、そのビル … 続きを読む

第二話

瞑想サウナ

第二話

柏木は、意外にも冷静な自分がそこにいることに気付いた。 男の手は、ゴツゴツしている。新宿のヘルス嬢に握ってもらったのは、もう3年も前のことだが、女に握られるのとは明らかに違うその感覚に、柏木は新鮮さすら感じた。 「凄いよ … 続きを読む

第一話

瞑想サウナ

第一話

ジュボーという音と共に、壁際に敷きつめられた小石の隙間から、熱い蒸気が吹き出してきた。 薄暗い、洞窟のような空間が、あっという間に、白い気体でいっぱいになる。 柏木は、膝の上に、下半身のイチモツを隠すようにして置いていた … 続きを読む