第四回 「長期金利の罠」

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群馬県太田市。

かつて、東武線太田駅前は、違法本番風俗店が30軒以上も立ち並び、隣町の伊勢崎町と共に、北関東の桃源郷と呼ばれていた。

今や、その太田も、風俗と言えば、場末のピンサロが数件と、中国人の本番エステ数軒のみを数えるまでに激減している。

その一方で、数を増やしたのは、フィリピンパブだ。フィリピンと名が付くが、実際には、タイやラオスの女も多い。

駅前には、ブラジル系の銀行があり、そのすぐ近くには、ハラルフードを扱う、イラン系の食料品店がある。

街の至る所には、インド人やネパール人が料理店を出し、ウクライナやモルドバから来た女が接客する飲み屋もある。

その太田に、私は月に一度、情報収集に出向く。

男と会ったのは、パールホテルの2階にある、スパのミストサウナの中だ。裸で、湿度も高いため、カメラもボイスレコーダーも、そして、紙さえも持ち込めない。

男は、日銀の内部情報に精通していると自称しているスパイだ。太田で、世界各国から集まってきているスパイに情報を売っている。

私は、男から入手した情報を脳に焼き付けると、「ひみつ基地」というDVDボックスに向かった。

個室内で、女装した男からメモを受け取る。

そして、足利市との境にある、湯楽部という、スーパー銭湯の3階の、モンゴルサウナに入っていった。

そこは、テニスコート2面ほどの広さがある、薄暗いサウナだった。館内着を着て、男女が一緒に入る。

私を見ていた中国人の女が、木の枕の下に何か隠すと、そそくさと、モンゴルサウナから出て行った。

木の枕の下には、乱数表があった。

私は、スバルの工場のすぐ近くにある、Nというジャズ喫茶で、入手した幾つかの情報を編んでいった。

そして、確信した。

日銀・黒田に、長期金利を抑え込む意思はない。

インフレになれば、長期金利が上がることは、小学生でも分かる。

黒田が、抑え込みたいのは、実質金利だ。実質金利=期待インフレ率だから、黒田の狙いは、期待インフレ率を上げることにある。

期待インフレ率を上げるには、株価を上げるのが、最も手っ取り早い。そのためには、円安が効く。円安にするためには、金融緩和だ。

その金融緩和の手段として、黒田が長期債を買うことを表明したため、マーケットは、黒田の狙いが、長期金利を下げることにあると勘違いした。

それが、5月23日からの、株価暴落の一因でもある。

6月7日、日経平均が1万3000円を割ったのに乗じて、私は、ソニーFH(8729)を1330円で買った。

長期金利と株価が共に上がれば、その恩恵を最も被るのは、生保だからだ。

マーケットは、今でも、いつ日銀が、長期金利抑制を出すのか、それを待っている。

私が待っているのは、黒田が、いつ、大切なのは、長期金利ではなく、実質金利を抑えることと、明言するかだ。

ここからは、宣伝になるが、先日、(株)スパークネットより、「松本克真の資産増大!複利マジック株式投資術」なる教材が発売された。

そこには、実際に私が実践している、短期トレードのノウハウが公開されている。

「松本克真」で検索すれば、すぐに見つかるだろう。

松本K
元諜報員。米諜報支援企業L3コミュニケーションの関連組織で訓練を受けたとされる。現在は、金融資産1000万ドル以上の投資家に対する情報提供を生業にする一方で、自身もマーケットに参加している。テルアビブ生まれでテヘラン在住、中国人民銀行の周小川とパイプを持つと言われているが、実態に関しては不明な部分が多い。かつて、雑誌『BUBKA』で連載記事を書いていたが、国際金融資本からの圧力で連載休止に追い込まれたという噂。

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