第二回 「チンチンカモカモとうじょう。」

「さっ、マラさん、あたらしいきとうよ…」

マラおじさんがパン子さんにてわたされたものをぺにすのさきにのせると、てんててんててんてんてーん♪……。どこからともなくせかいにびーじーえむがなりひびき、ひかります。

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「へっ、ちきちょう。もうやけくそだいっ」

きとうをつけかえるとき、すこしきはずかしそうなマラおじさんのかおをぬすみみるのが、パン子さんはなによりもすきでした。

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そしてふたりは、こゆびをからめあってねむるのです。

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そのよる……。

「ああん…、くぅう…。おそらがやぶけるぅ…、あああぁぁ。」
パン子さんのいじょうなあえぎこえでマラおじさんはめをさましました。

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「おいおい、まんずりはあさにしてくれよ。いくらまんねんりんせんたいせいのうずきあなだって、ていどがあるだろう? こっちはあしたもしごとなんだよ、それともなにかい? おれのちんぽがたにかたどりされたせんよういあんふのにくおなほは、すこしでもせんがぬけるとたちまちしびれきらして、まんじるふきだしてさそうずぼずぼじゃんきーなのかい? げひんなしのぎだね」

そうののしりながらおきあがったマラおじさんは、いつものようにパン子さんがにかいせんをさそっているのとはようすがちがうことにきがつきました。

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「くう…。いたいわ。これはまじで、すにもどるくらいいたいわ」

みると、パン子さんのおなかはおおきくふくらみ、しかもぼこぼことうごめいているではありませんか。あまりのこうけいにきがどうてんしたマラおじさんは、

『そういえば…、しがにーういばーっていま、なにしてんだろ。てか、がりがりでえらはってるおんなが、かみをうしろにひっつめたら、だいたいしがにーういばーににるよね…、しがにーういばーってぶすなのかびけいなのかわっかんねぇな』

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などと、かんけいないことをかんがえていました。
するととつぜん、ぽんっ!

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パン子さんのめすあなから、2つのおおきなものがとびだしました!

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ひとつは、まるいかおになにやらもじゃもじゃとけのようなものがはえ、そこにおたまじゃくしのようなものがのっている、まんとをしたやつ。

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ひとつは、むしばきんみたいなくろいやつです。
まんとのやつはいいます。
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「ぼくのなまえはチンチンカモカモ! パン子さん、ぼくをうんでくれてありがとう! ぼくのおはなはマラおじさんのきとうだよ。ぼくは、こまっているひとがいたら、だんせいにはふぇらちお、じょせいにはくんにをしてあげる、せいぎのひーろーさ!」

むしばのやつは。
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「おれさまのなまえはバイドクマン! きほん、うえのやつのじゃまをするのがしごとだ。じゃあな、かぁちゃん。あんたらのせっくす、つまんなかったね」
チンチンカモカモはふたりのしんしつにのこり、バイドクマンはいやなことをいってどこかにはしりさっていきました。

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「おお、おお。チンチンカモカモや。こっちにきておくれ、おまえはわしらのむすこじゃ。これからはおやこさんにん、なかよくやっていこうな」

マラおじさんとパン子さんがりょうてをひろげてつくるあったかいわにつつまれて、チンチンカモカモはとってもいいえがお。

さんにんがだきあってなんどもほおづりをしていると、よあけをつげるたいようのひかりがまどからさしこみ、へやにまいあがったはうすだすとをきらきらとてらしだして、とってもきれいでした。

 

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文・福田信哉/絵・いなおかつかさ
当サイトの運営をしております福田が文章、その友達の稲岡が絵を描いております。真っ当な正義、真実の愛をテーマに児童文学に挑んでおります。

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