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第三回 「日本の台所」

ワシントン時間の5月16日午後2時、ミシガン州ミッドランドにあるダウ・ケミカル本社に向かっていた、黒のメルセデス・ベンツに、一通の電子メールが届いた。

助手席にいた美人秘書が、後部座席で、ウォールストリート・ジャーナルを読んでいた口髭をたくわえた男に、その内容を伝える。

男は、「クソッタレが!」と、大声を上げると、苦虫を潰したような表情で、上院議員のカール・レビンに電話を掛け、「私が理解できるように説明してくれ」と、言った。

男の名前は、アンドリュー・リバリス。言わずと知れた、石油化学世界最大手、ダウ・ケミカル社のCEOだ。

シュール革命による、天然ガスの価格の低下は、それを原料とする石油化学企業に莫大な利益をもたらしていた。

アンドリュー・リバリスは、安価な天然ガスが、この先も手に入ることを前提に、テキサス州に、世界最大級のエチレンプラントを建設することを決断し、2017年の稼動を目指して、今、急ピッチで工事が進められていた。

アンドリュー・リバリスが、最も恐れていたことは、アメリカが、シェールガスを日本に輸出することだ。

アメリカは、FTA締結国にしか、シュールガスの輸出を認めていない。

だが、原発が止まり、大量の天然ガスを必要とするようになった日本は、安いシェールガスが、どうしても欲しかった。

茂木経産相は渡米し、ポネアン長官代行に、シェールガスを売ってくれるように泣きついている。

そもそも、アメリカが行っている天然ガスの輸出制限は、明確なWTO違反だ。WTOの前身であるGATTの第11条には、関税や課徴金以外の、いかなる輸出入の制限も設けてはならないとある。

米通商代表部(USTR)も、11条に抵触することを理解していると、元商務次官補のアラン・ダンが、日経新聞のインタビューで答えている。

アンドリュー・リバリスは、米議会の公聴会で、天然ガスの付加価値が低い利用例として、「日本の台所」を挙げ、日本への輸出解禁を牽制してきた。

ダウ・ケミカルのお膝元である、ミシガン州の上院議員に対しても、必死にロビー活動をした。

ところが、16日、米上院議会は、次期エネルギー長官に、アーネスト・モニツが就任することを承認したのだ。MIT教授のモニツは、日本への輸出解禁に積極的な見解を示してきた。

秘書が受け取った電子メールが、そのことを知らせていた。

2012年4月に、1・9ドルの安値をつけた天然ガスは、今年4月には4ドル台にまで上昇。日本への輸出が決まれば、需要の逼迫から、価格が上昇することは必至だ。

私が、某ヘッジファンドに示した2015年末の価格は、6・4ドル。今よりも56%高い。

また、同時期の私の予想為替相場は、1ドル120円だから、今よりも18%の円安だ。

つまり、今、円で天然ガスを買えば、2015年末には、84%の値上がりが見込めることになる。

日経平均が、今より84%上昇するとしたら、2万7600円。天然ガスが6・4ドルになる方が堅いと見る。

日本で、個人が天然ガスに投資するなら、ETFS天然ガス上場(1689)というETFがある。

楽天証券やカブドットコムでは扱っているが、マネックス証券やSBI証券では扱っていない。

私の、日本人クライアントの何人かは、長期資金で(1689)をコツコツと拾い始めている。

と、原稿を書いている途中で、今日(5月17日)、米エネルギー省が、日本へのシェールガス輸出を許可したというニュースが飛び込んできた。

正直言って、私の想定外だった。モニツは、まだ、正式に就任していない。こんなに早く、輸出解禁の決定が下されるとは。

このニュースを受け、ダウ・ケミカルは、「生産者と消費者に恩恵を与える均衡の取れたアプローチ」だと、輸出解禁を支持する声明を出し、一旦は、負けを認めた。

だが、アンドリュー・リバリスが、このまま引き下がるわけではないことは、投資家なら、誰でも知っていることだ。

ニューヨークにいた私は、すぐさま、日本のクライアントに、トーヨーカネツ(6369)、住友精密(6355)、川崎汽船(9107)を、月曜日の朝、成行で買うように指示を出した。

中でも、LNG気化装置に強みを持つ住友精密には、厚めの買いを推奨した。

ちなみに、先月22日に、本稿第二回がアップされた時に630円だった、推奨銘柄の大陽日酸(4091)は、現在831円になっている。

松本K
元諜報員。米諜報支援企業L3コミュニケーションの関連組織で訓練を受けたとされる。現在は、金融資産1000万ドル以上の投資家に対する情報提供を生業にする一方で、自身もマーケットに参加している。テルアビブ生まれでテヘラン在住、中国人民銀行の周小川とパイプを持つと言われているが、実態に関しては不明な部分が多い。かつて、雑誌『BUBKA』で連載記事を書いていたが、国際金融資本からの圧力で連載休止に追い込まれたという噂。

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