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2017-2018

 

 2017年後半ころ。
 ツイッターを観測するかぎり炎上は波状的に続いていたが、アンチが急に元気になりだした。大阪展の準備も動いていない状態なのに。
 それは第一回スポンサーのフク田氏逮捕報道がきっかけだったらしい。
 翌2018年になって本人から連絡があって初めて知ったくらい、ワタシもフク田氏のことを忘れていた。

「ご無沙汰です。今まで牢屋に入ってました。まだお付き合いしていただけるでしょうか」
「なにそれ。ワタシは差別反対パーソンなのでそんなんで絶縁はしませんが……」

 聞くに、横浜御苗場から3ヶ月後に、フク田氏が17歳女性を雇ってAV撮影&販売とのカドで捕まった、それで連絡が取れない状態だったと。
 ワタシはテレビも新聞も見ないので全然知らなかったが、熱心なアンチはその実名報道と、BUZZFEEDの2016年展取材記事で出たスポンサーの名前が一致することに気づいたんだな。
 それで展と性犯罪を関係付けて叩いてるのはフェイクニュースだよなあ。とっくにスポンサーから降りてるし。
 逆に「事件があったから展がスポンサーから離れた」という推理をするブログも見た。それも時系列が逆。
 この件は元スポンサーが展の後に勝手に自爆しただけ。以上。

***

 昔の写真を扱う声かけ写真展には、そのコンセプト上「新作」がない。
 演出斬り口が変わっても、展示されるのは前回と同じ写真だ。メインストリームにおける古典美術展みたいなもの。
 開催ペースが遅いこともあり、見逃した人にとっては同じものが観られていいかもしれない。でも、同じものを連日観にくる固定ファンもいる。
 妨害弾圧のある写真展という文脈を得て、彼らにとっては継続していることの確認がすでに大事な意味になっているという。
 
 新作は未発見のネガが発掘されるか、他の作家が加わって作品を提供してくれるか。
 これを探すのも主催キュレーターの役目である。前回の話で出会ったトモヨシ氏はありがたい存在だ。2017年から2018年のほとんどは新作のディグりに費やされた。

 昔に撮影された作品も貴重だが、声かけ写真行為がミーム汚染されて邪悪な評価を受けるようになった現在、正統派スピリットを保ったまま現在の諸問題をクリアした完全新作を見つけることはさらに難しい。
 たとえば、子役アイドル個撮は怒られが少ないが別ものであり、キュレーションの対象外だ。
 別の言い方をすると「われわれはアイドル写真をやっているわけではない」。

 アイドルを写真フォーマットの言い訳に使ってきたのが1990年代末期からゼロ年代の少女写真であった。それ以前にもロリコン雑誌のネタに子役アイドルは重宝されてきた。1994年のチャイドルブームはその言い訳を大衆に通用させ、少女イメージの流通形態に良くも悪くも多大な影響を及ぼした。芸能だから良い、報酬が支払われているから良い、と。
 声かけ写真はそうしたお膳立てでステージに立たされ管理され商業化・偶像化される少女像に抗い、ストリートのリアルに向き合おうとする真摯さがある。

 ここで注意しておきたいのは、声をかけて撮影し展示することそのものは現在でも規制されておらず、なんの問題もないことだ。
 事実、そのような作家も存在し、声かけ展とは別のアート文脈において新作を発表している。
 新作を出せるアーティストと妨害を受ける展との差は、文脈と感情だけ。
 異常者の指弾の一撃によって「迷惑」と定義された場合にのみ、問題が発動する。
 炎上は俗に「異常者が大きな石をひっくり返して大衆に不快な虫を見せる」と形容されるが、隠しだてする大きな石など元から存在しない。邪悪な魔法使いがミーム汚染という杖を一振り、バケモノに変えさせるイメージの方が正確だ。
 「迷惑」ミームがストリートに波及すると、ただ中年男性が女子小中学生を凝視しただけで通報されるなどの事実上の法規制が成立する。問題は「迷惑」が簡単に書き換えられてしまうことにある。

 炎上で日陰趣味を肩身狭くされたと怒ったり、展を見に行って「加担してしまう」ことを躊躇する女児マニア側の反応もあった。
 かわいそうなことに、自分の趣味が邪悪なものと認めさせられてしまっている。女児好きの中でもそういう分断が起こっていた。
 東京展で熱心に応援してくれていた女性フォロワーが、女性特有のソーシャル事情かなにかでいつのまにかアンチ側に立場を変え、離れてしまうなんてこともあった。
 女児好きは迷惑でも邪悪でもないぞ。そこから始めないとダメか?
 汚染されたミームを繰り返し、無意味化させるのが器具田研のアートのねらいなのだが——とにかくわれわれは邪悪な魔法使いを飼いならす必要がある。

 2018年3月末。
 ツイッターで次回会場のミステリー告知。
 クラウドファンディングをテコ入れ復活させる方策として、トモヨシ氏とネタ出ししたエイプリルフール企画だ。

 架空の会場は平昌。冬季オリンピックが終わった後のドサクサで、韓国のシャレオツなギャラリーに展がポップアップする。
 4月1日に架空の会場案内地図、海外を思わせるフリー素材写真をいくつか投下してみた。※1

 


(※1)エイプリルフールの嘘企画、平壌展。詳細は→写真展の全日程を完走しました!

 アンチ側も4月バカは心得ていたのであろう。
 わざわざ韓国の会場に凸したり平昌市長に質問状を送る愚か者は観測されなかった。
 
 しかし、同時にポップアップしたお土産の記念グッズ通販は本物であり、SUZURIで投げ銭付き価格のマグカップ、Tシャツ、モバイルバッテリーなどが買えた。
 それも投げ銭が数千円ガッツリ乗せられた支援者限定品だ。
 ダメ元で置いてみたら、買う人がいた。
 世の中って想像以上だ。

 エイプリルフールを過ぎてもずっと販売が続けられたが、7月にアンチ側が気づいて凸。SUZURIは展のアカウントを停止。投げ銭が振り込まれたあとだったので実害は避けられた。
 停止理由を聞いたら展の資金源になるからとの返事。
 GMOの法務担当様はすげえなあ。展がいつ法律違反したんだ?
 私企業経由だと凸耐性が皆無であることが再確認される。
 Campfire社の小規模版投げ銭プラットフォーム、Polcaでの募金もエイプリルフール企画からスタート。毎月連続で募集し、こちらは11月でアカウントが凸停止された。

 法的根拠なしの凍結可能性を排除するため、クラウドファンディング入金窓口として専用の銀行口座を開設。
 銀行は預金者保護の法規制がクラウドファンディング会社よりも厳しく、勝手に凍結ができない。アンチも「銀行振り込みで資金を募るのを止めることは無理」と認めている。

「凸で潰される心配のあるイベントの資金集めは銀行振込が最善策」、伝統的な銀行はチャラいテック企業に勝る。
 知見である。

 凍結リスクから解放された投げ銭システムによって、蓄積総額は目標額に向けて現実的なペースで増えていった。

***

 2018年5月。
 ワタシは新宿の東外れ、四谷にあるギャラリーにいた。

 「カップ麺ギャラリー」。小さな雑居ビルの4階で、カップ麺を食いながら展示を鑑賞できるというコンセプト。ここは往年のロリ漫画家・内山亜紀の原画を常設する「内山亜紀ギャラリー」としても話題となったべニューである。

 ここでとある写真作家の個展が行われていた。
 展示されている作品被写体は成人女性のようだが、彼の作品ブログの中に、公園女児写真があるとツイッターで話題だったのだ。
 女児がカメラマンに撮られていることを承知で、遊んでいる姿を見せつけている。
 2018年に、作品として発表できるレベルの公園女児写真をブログに上げている。撮ってから3年も経っていないだろう。
 これはとんでもないことですよ。展への参加オファーをしない手はない、と会いに来たわけだ。

 声かけ展の今までの経緯と展示作品ポートフォリオ。
 
 アート文脈が違うため、彼は展のことをまったく聞いたことがなかったという。
 先に書いたように、別の世界だから女児写真をブログに上げても怒られが発生していないし、知る機会もないのだ。
 
「公園の写真は、モデル撮影をしていたときにたまたまそこにいた子が絡んできて撮れただけ。意図して撮りに行ったわけではないんです」
「でもどうですか? 声かけ展はあなたの公園女児写真とリンクしそうじゃないですか?」
「今ブログに上げてあるものを使うのであれば……」
 好感触。

 そこで奥から現れたのはギャラリーの主、F氏。内山亜紀世代だから、ワタシよりもずっと先輩だ。
「私も内山亜紀の原画を扱うのでこの分野の表現規制問題は理解できますよ。面白いことをやっていますね。もしここで声かけ展の作品を展示するとしたらどうしますか」
「えっ、いいんですか。でも大阪でやるという話で資金集め中なので、集まったお金を東京展示には使えないんです」
「お金的なことはまた考えるとして、協力しましょう」

 ワタシは月に二、三回、カップ麺ギャラリーを訪れ、トモヨシ氏も紹介し、F氏と企画会議をするようになっていた。
 後日、個展カメラマン氏には参加を断られたし、F氏もギャラリーの部下から声かけ展に反対されて孤立するなど、そんな劇的な展開でもなかったけど。
 「スタッフは反対するけど、私は器具田さんのことは人間的に好きだし面白い企画だと思うからね」
 F氏は自分のギャラリーではできなくても別の開催できそうなハコを、とコーディネーターを買って出てくれた。
 できそうなハコに2人で行っては担当者に「こんな企画は許されませんよ」とか怒られたりな。

 人脈がやっと開拓されてきた……のか?

 2018年8月。
 ツイッターで大阪展開催時にスタッフをやりたいと立候補してくれていた現地在住パーソン、ウツボ氏。
 その彼がツイキャスで自殺実況をしたとされ、騒ぎになっていた。飛び降り自殺だという。

 ナヌ、展のスタッフはどうなっちゃうの?

 自傷者、摂食障害者、発達障害者、LGBTPZN。展の周りには多くのメンヘラや非定型者が吸い寄せられている。
 もともと展自体がマイノリティのイベント。
 メンヘラも異端者も包摂するし、そうした人たちにとって展の作品は波長が合うらしい。
 展にロリコンしか来ないと思ったら大間違いだ。

 ウツボ氏本人からの連絡もそれらしき自殺報道もなく、数ヶ月生死不明だった。

 結局飛び降りたのがビルの4階からだったため一命はとりとめたが、「1メートルは一命取る」って格言もあるからな。
 彼は退院まで半年を要する大怪我を負った。

 なんで飛び降りたのかは本人にしかわからないだろうし、聞くことでもない。
 ただ元スポンサーの逮捕やスタッフの生死不明というエクストリームな事象を普通に想定しないといかんのだ、この声かけ写真展は!

器具田こする教授
ラブドールとオナホールのR&Dアートユニット「器具田研究所」を運営。メーカーへのアドバイスや技術協力といった説明のしにくい業務でオナニー業界の異常進化を支えている。http://www.kiguda.net/

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