第二十四回 「妄想SEX」

 

 

小向美奈子とヤることにした。

 

男に生まれたからには一度は芸能人とヤってみたいものだ。

 

第一線で活躍している芸能人はガードが固いが、AV女優でもある小向美奈子なら、ヤらせてくれるかもしれない。

 

芸能人とヤれるのならば、ハメ撮りもしたい。

 

とはいえ、スマホや安いカメラでは失礼にあたる。

 

幸い、新井薬師のフリーマーケットで、ロバート・キャパの遺品のライカを10万円という破格の値で手に入れることができた。

 

なんとか美奈子の居場所を突き止め、背後から近づき、耳元で囁いた。

 

「俺、チンポでかいぜ」

 

簡単にホテルに連れ込めた。

 

俺の目に狂いはなかった。相当な好き者だ。

 

しかし、カバンからカメラを取り出した途端、美奈子の態度が一変した。

 

俺を変態呼ばわりし、出て行こうとしたので、すかさず片足タックルにいった。

 

これは切られ、2回目の片足タックル。

 

しかしこれも切られた。

 

3回目の片足タックルにヒザを合わされた俺は左のこめかみ辺りをザックリと切り、大量出血した。

 

なんとかグラウンドの展開に持ち込みたいのだが・・・

 

手をこまねいていると、美奈子がノーモーションからの左ハイキック!!!

 

間一髪かわしたが、手に持っていたカメラを弾き飛ばされてしまった。

 

壊れたかもしれない。

 

気にしているところに2発目の左ハイを首筋にまともに喰らい、もんどりうって倒れた。

 

たちまちマウントポジションを取られ、タコ殴りにされる。

 

パンチが重い!

 

血の味がするので気になり、パンチをかいくぐりながら、口元を触ってみると下の歯が抜けている。

 

下の歯が抜けるなんて、台湾で大暴れした後の篠原ともえみたいではないか。

 

まさか俺がシノラーになるとは・・・

 

落ち込んでいると、既に美奈子は腕ひしぎ十時固めに移行していた。

 

完全にきまっていたので、すぐにタップしたが、美奈子は放そうとしない。

 

「もうやめてください」

 

はっきりと口に出してみたが、それでも放してくれないので、初めて、ああ、これは喧嘩なんだと気づいた。

 

序盤がミルコ vs 藤田戦のような展開だったので、勝手にルールの元で戦っている気になっていた。

 

美奈子は気が済むまで俺を痛めつけるつもりなのだ。そんな最中にカメラやシノラーについて思い巡らせている場合ではない。

 

どんな状況においても集中力がいかに大事か、はっきりと認識したその時、嫌な音がした。

 

音のしたほうを見ると、俺の右ひじは有り得ない方向に曲がっていた。

 

激痛に気絶しかけたが、このままでは終われない。

 

執念でポコチンを取り出し、なんとか勃起させた。

 

「せめてフェラかパイズリだけでも・・・」

 

ところが3日間風呂に入っていない俺のポコチンはチンカスまみれだった。

 

怒りを倍増させ、ポコチンまでへし折られるかと思ったが、美奈子は目を輝かせている。

 

おそるおそるポコチンを近づけてみると、美奈子はチンカスをすべて鼻から吸い込んでしまった。

 

俺の「ダメ。ゼッタイ。」の叫びが全然間に合わない早業だった。

 

驚いたのは、美奈子が完全にトリップしたことだ。

 

しかし、とてもじゃないがヤれる状態ではなかった。

 

チンカスはダウナー系だったのだ。

 

美奈子は俺の右腕が利かないのをいいことに、
俺のパンツにこびりついたチンカスまで持ち去ってしまった。

 

数日後、美奈子は逮捕された。

 

 

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殿方充
芸人。「浅草お兄さん会」第6代チャンピオン。「下ー1グランプリ」第1回、第3回優勝。4才よりオナニーを継続中。

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