第五話
2人の男は、座っている柏木の前、80センチのところで立ち止まった。
外国人の方が、もう一人の男のイチモツを握る。すると、握られた男も、右手で外国人のモノを握り、左手で、外国人の乳首を摘んだ。
2人の間に、会話は一切無い。その2人が知り合い同士なのかどうかも、柏木には分からなかった。
外国人は、柏木に見せつけるように、もの凄いスピードで、男のモノを扱き始めた。
柏木が、AVを見たり、実際に大塚のピンサロで体験した、女による手コキとは、スピードが全く違う。
男の方も、同じくらいのスピードで、外国人のモノを扱いた。
外国人が、左手を男の頬に当てて、顔を引き寄せ、唇に吸い付いていく。
2人は、舌を出して、それを絡め合う。
男同士のディープキス。そんなもの、柏木は、映像でも、見たことがなかった。
外国人の握る力が強過ぎるのか、それとも射精しそうになったからか、男は、時折、右手で、外国人の手を制して、待ったを掛けた。
柏木は、そんな光景を目の前にして、自分の手で、自分のモノを扱いた。
それは、私も同類なので、遠慮なく続けてくださいという、柏木なりのサインだった。
もちろん、柏木はゲイではない。女とセックスもしたことがない、27歳の単なる童貞だ。
しかし、そんな柏木の口許に、外国人は、握った男のイチモツを持ってきたのだった。
言葉は無い。
柏木は、左手の親指と人差し指で、鼻の頭を摘んだ。
どうすればいいのか。握れということか。いや、違う。
それは、柏木にとって、はじめての感触だった。
恐れていたような、匂いは一切無い。ウインナーより軟らかく、舌に当たる感じは、ツルツルしていた。
歯を当ててはいけないという意識はあったが、口や舌を、どう動かしていいのか見当も付かない。
男のモノを口に含んでいる柏木のイチモツを、外国人が握った。
それは、もう、硬くはなかった。それなのに、外国人が早いスピードで扱くので、柏木は痛みを感じた。
外国人は、反対の手で、自分のモノを自分で扱いている。
男は、柏木の口に入り切らない根元部分を2本の指で扱いていく。
そして、外国人と男が、再び舌を絡めた瞬間、柏木の口の内に、生温かいものが放たれていった。
噂で聞いていたような苦さはなかった。ただ、舌の先が、ピリピリと痺れるような感じがした。
男が、柏木の口から抜き取ると、柏木は、口の中に溜まった精液を、石の床に吐き出した。
男は、手桶で湯瓶からお湯を汲んで、それを流した。外国人は、もういなかった。
男は、3回ほど、床を流すと、何も言わず、瞑想サウナから出て行った。
一人になった柏木は、その湯に何度も唾を吐いた。手桶で汲んだお湯で、口をゆすいだ。
鼻の奥に、栗の花の匂いに似た、青臭さが残った。
自宅へと歩いて帰る途中も、柏木は唾を吐き続けた。
自販機で、ブラックコーヒーを買い、それでうがいをした。
ガラガラと、顔を上げた時、青い月が目に入った。
今日あったことは、もう誰にも言わない。
有田が、男の精液を口で受けたことがあるのかどうかは、知らないが、柏木は、有田を越えたと、自分で思った。
次の日の夜、柏木は浅草に向かった。
黄金会館と書かれた黄色い看板をひっそりと出していた、そのサウナは、浅草寺の裏手にあった。
月は、昨日より、円形に近づいていて、アスファルトに、柏木の影を作っていた。
『会員制』と書かれたドアを引いて、中に入る。
会員制というのは、ゲイでない人が、間違って入って来ないように書いてあるだけだと柏木は有田から聞いていた。
券売機で2千3百円の入場券を買い、それと引き換えに、フロントでロッカーキーと、タオル一式を受け取る。
フロントには、『コンドームの必要な方は、お申しつけ下さい』と、書かれた紙が貼ってある。
柏木は、無意識に、指で鼻頭を摘んでいた。
ロッカールームへと向かう途中に、テレビとソファが置いてある洗面室があった。
40代から50代の、短髪の男が3人、ソファでくつろいでいた。
イチモツを露出したり、男同士でキスをしていたりはない。
しかし、そのうちの2人から、全身を舐め回すような視線が送られてくるのを、柏木は感じた。
ロッカーに服と下着を入れ、背中に、『黄金』と書かれた薄手のガウンを羽織って、バスルームへと向かう。
サウナと言っても、バスルーム自体、街の銭湯の半分ほどの広さしかなかった。
白髪の痩せた老人が、1人だけいて、身体を洗っていた。
そこから、3つ離れたラカンの前で、柏木は、イチモツの皮を剥いて、石鹸で洗った。
その様子を、白髪の老人が覗き込むように見ていたが、柏木は、顔を合わせなかった。
早くも、3人にもモテたと、柏木は思った。
さっさと洗い終えた柏木は、半勃ちのモノがわざと老人に見えるように立ち上がると、少しだけ尻を振りながら歩いて、バスルームを出た。
ツイート
- 志井愛英
- 小説家。昭和41年生まれ。同性愛者、風俗嬢、少数民族、異端芸術家など、マイノリティを題材にした作品が多い。一部の機関誌のみでしか連載しておらず、広く一般に向けた作品は本篇が初。
瞑想サウナ記事一覧
カチカチ丘コラム一覧
- ヘッジファンドに情報を売る男
- 今夜、すべてのクロッチを
- 瞑想サウナ
- 竹光殺法じゅて~むで候
- オナホール戦記W
- 伊藤MILK!
- 日本の沼
- それイけ! チンチンカモカモ
- 復活!日本ミニスカ倶楽部
- ナマ漫画
- 竿に訊け
- 爆発映画のススメ
- なぜ中年男性が女子小中学生~
- 第一回 「綿100%、ピコレース付きの純白パンツ」
- 第二回 「3年間同棲した彼女のパンツ」
- 第三回 「あいだゆあのピンクのTバック」
- 第四回 「アメコミ風の柄が一面に描かれた派手なパンツ」:前編
- 第五回 「アメコミ風の柄が一面に描かれた派手なパンツ」:後編
- 第六回 「囮の妻のパンツ」
- 第七回 「私的パンティジャケットベスト10」
- 第八回 「さくらのパンティ」
- 第九回 「恋のシュビドゥパンツ」
- 第十回 「地球の裏側のパンツ泥棒事情」
- 第十一回 「好きなコはできた」
- 第十二回 『The Times They Are a-Changin’(時代は変る)』
- 第十三回 「Too Much Panty Business」
- 第十四回 「コロナ鬱とコロナ躁」
- 第一回 「あこがれのセーラーちゃん」
- 第二回 「セックスの世界観」
- 第三回 「ぴことちこ」「さとあな」
- 第四回 「フェラホール」
- 第五回 「オナホ女子のオナホ女子会(1/5)」
- 第六回 「オナホ女子のオナホ女子会(2/5)」
- 第七回 「オナホ女子のオナホ女子会(3/5)」
- 第八回 「オナホ女子のオナホ女子会(4/5)」
- 第九回 「オナホ女子のオナホ女子会(5/5)」
- 第十回 「オナホ超飲み会現場レポート」
- 第十一回 「ジ・オナホポエム 〜 オナホパッケにおける文章の力」
- 第十二回 「パロディホール」
- 第十三回 「第二部 序文」
- 第十四回 「皮オナ期のちんちんへ」
- 第十五回 「奨学金をオナホにつぎ込んだエロ大学生」
- 第十六回 「NASAの最先端無毛ツルツルまんこ」
- 第十七回 「ハルミデザインズとアメリカ製Real Dollのラブドール」
- 第十八回 「ココナツオナホ」
- 第十九回 「オナーパンツ」
- 第二十回 「家電でオナマシン【GuWOOO】」
- 第二十一回 「コバヤシ君」
- 第二十二回特別編 「器具田教授に17の質問」
- 第二十三回 「アダルトVRフェスタ」
- 第一回 「マリークワントとツィッギー」
- 第二回 「麻生真美子」
- 第三回 「皇太子ご成婚報道パンチラ 田丸美寿々」
- 第四回 「スカイマークのミニスカ制服」
- 第五回 「キャサリン妃、至る所で捲れ上がるスカート」
- 第六回 「熟女ミニスカ推進派の星、 NHKアナ有働由美子、再び勝負しろ」
- 第七回 「美脚パンチラの闘士、米倉涼子 期待を裏切らない超ミニ・パンチラ」
- 第八回 「元宝塚、和央ようか46歳、 先輩女優を凌駕する 貫禄の激烈ミニ&悩殺パンチラ」
- 第九回 「菜々緒、プールでビキニのお約束ポーズよりも数倍エッチに悩殺、ビキニとミニスカのコラボ」
- 第十回 「2014年ミス・インターナショナル世界大会は日本で開催」
- 第十一回 「真矢みき・50歳偉丈夫が繰り出した切り札パンチラ」
- 第十二回 「テレ朝のエース候補だった才色兼備の女子アナ 野村真季の残念な凋落」
- 第十三回 「元ヤンキー、佐々木希はパンチラを捨て ダイコン女優から演技派に開眼か!?」
- 第十四回 「吉瀬美智子 40歳で取材記者騒然の超ミニ・パンチラなのに翌日は報道規制の圧力で地味写真ばかり」
- 第十五回 「おいおい、台湾で開催されるモーターショーはとんでもないことになってるぞ」
- 第十六回 「かとうれいこ一日署長が魅せた熟れたミニスカ」
- 第十七回 「片瀬那奈、NHKドラマ会見でパンチラ勃発もネット画像で広まった写真は皆無…の謎」
- 第十八回 「フジテレビの女帝、乳出し熟女アナ阿部智代 遂にアナウンサー復帰ならず、引退」
- 第十九回 「さすが五輪招致の功労者、鉄壁の防御でこれが限界か、滝川クリステル」
- 第二十回 「あの上昇志向の塊、皆藤愛子がお堅い番組に超ミニ出演でパンチラ」
- 第二十一回 「フリーアナウンサー美馬怜子 武豊に仕掛けたハニートラップ策略 世間にバレバレ、非難のド壷」
- 第二十二回 「清純演技派の石田ゆり子にこの翳りの透けるエロパンティを 穿かせたのは誰だ…」
- 第二十三回 「祝!北川景子、ご結婚パンチラ 共演者キラーの勲章を返上」
- 第二十四回 「歌姫・浜崎あゆみ、チラリどころかテレビ史上最大のパンティ面積を公開」
- 第二十五回 「小林麻耶、36歳のブリッコ超ミニ・熱烈応援」
- 第二十六回 「長澤まさみ、伊勢谷友介と破局で 再びミニスカ魂に火が着いた!」
- 第二十七回 「2016世相ブラ発表 あまりにも下半身がなおざりですよ」
- 第二十八回 「アメリカのアイスホッケーは肉弾戦だが試合途中の氷上整備は超ミニで息抜き」
- 第二十九回 「伊勢谷友介と破局してから やっぱりエロ全開の長澤まさみ」
- 第三十回 「ザイナ・ドリディと三田佳子」
- 第一回 「私のネタ作り」
- 第二回 「外でシコる」
- 第三回 「死者でシコれるか」
- 第四回 「偽装問題」
- 第五回 「人間に生まれて」
- 第六回 「息子がシコりまくっていたら」
- 第七回 「乳を吸うのはかっこ悪い?」
- 第八回 「Facebook」
- 第九回 「女に生まれ変わったら」
- 第十回 「シャブSEX」
- 第11回 「ワールドカップ」
- 第12回 「夏場は特にお気をつけください」
- 第13回 「ここにキスして」
- 第14回 「心霊写真」
- 第15回 「抜き差しならない」
- 第16回 「マンコ」
- 第17回 「ニュース」
- 第18回 「細い脚」
- 第19回 「マン毛」
- 第20回 「娘がヤリマンだったら」
- 第二十一回 「オナニー」
- 第二十二回 「ヘヴィメタル」
- 第二十三回 「便意」
- 第二十四回 「妄想SEX」
- 第二十五回 「報道被害」
- 第二十六回 「春画」
- 第二十七回 「夢精」
- 第二十八回 「再生」
- 第二十九回 「抱負」
- 第三十回 「ベッキー」
- 第一回 「綿100%、ピコレース付きの純白パンツ」
- 第二回 「3年間同棲した彼女のパンツ」
- 第三回 「あいだゆあのピンクのTバック」
- 第四回 「アメコミ風の柄が一面に描かれた派手なパンツ」:前編
- 第五回 「アメコミ風の柄が一面に描かれた派手なパンツ」:後編
- 第六回 「囮の妻のパンツ」
- 第七回 「私的パンティジャケットベスト10」
- 第八回 「さくらのパンティ」
- 第九回 「恋のシュビドゥパンツ」
- 第十回 「地球の裏側のパンツ泥棒事情」
- 第十一回 「好きなコはできた」
- 第十二回 『The Times They Are a-Changin’(時代は変る)』
- 第十三回 「Too Much Panty Business」
- 第十四回 「コロナ鬱とコロナ躁」
- 第一回 「あこがれのセーラーちゃん」
- 第二回 「セックスの世界観」
- 第三回 「ぴことちこ」「さとあな」
- 第四回 「フェラホール」
- 第五回 「オナホ女子のオナホ女子会(1/5)」
- 第六回 「オナホ女子のオナホ女子会(2/5)」
- 第七回 「オナホ女子のオナホ女子会(3/5)」
- 第八回 「オナホ女子のオナホ女子会(4/5)」
- 第九回 「オナホ女子のオナホ女子会(5/5)」
- 第十回 「オナホ超飲み会現場レポート」
- 第十一回 「ジ・オナホポエム 〜 オナホパッケにおける文章の力」
- 第十二回 「パロディホール」
- 第十三回 「第二部 序文」
- 第十四回 「皮オナ期のちんちんへ」
- 第十五回 「奨学金をオナホにつぎ込んだエロ大学生」
- 第十六回 「NASAの最先端無毛ツルツルまんこ」
- 第十七回 「ハルミデザインズとアメリカ製Real Dollのラブドール」
- 第十八回 「ココナツオナホ」
- 第十九回 「オナーパンツ」
- 第二十回 「家電でオナマシン【GuWOOO】」
- 第二十一回 「コバヤシ君」
- 第二十二回特別編 「器具田教授に17の質問」
- 第二十三回 「アダルトVRフェスタ」
- 第一回 「マリークワントとツィッギー」
- 第二回 「麻生真美子」
- 第三回 「皇太子ご成婚報道パンチラ 田丸美寿々」
- 第四回 「スカイマークのミニスカ制服」
- 第五回 「キャサリン妃、至る所で捲れ上がるスカート」
- 第六回 「熟女ミニスカ推進派の星、 NHKアナ有働由美子、再び勝負しろ」
- 第七回 「美脚パンチラの闘士、米倉涼子 期待を裏切らない超ミニ・パンチラ」
- 第八回 「元宝塚、和央ようか46歳、 先輩女優を凌駕する 貫禄の激烈ミニ&悩殺パンチラ」
- 第九回 「菜々緒、プールでビキニのお約束ポーズよりも数倍エッチに悩殺、ビキニとミニスカのコラボ」
- 第十回 「2014年ミス・インターナショナル世界大会は日本で開催」
- 第十一回 「真矢みき・50歳偉丈夫が繰り出した切り札パンチラ」
- 第十二回 「テレ朝のエース候補だった才色兼備の女子アナ 野村真季の残念な凋落」
- 第十三回 「元ヤンキー、佐々木希はパンチラを捨て ダイコン女優から演技派に開眼か!?」
- 第十四回 「吉瀬美智子 40歳で取材記者騒然の超ミニ・パンチラなのに翌日は報道規制の圧力で地味写真ばかり」
- 第十五回 「おいおい、台湾で開催されるモーターショーはとんでもないことになってるぞ」
- 第十六回 「かとうれいこ一日署長が魅せた熟れたミニスカ」
- 第十七回 「片瀬那奈、NHKドラマ会見でパンチラ勃発もネット画像で広まった写真は皆無…の謎」
- 第十八回 「フジテレビの女帝、乳出し熟女アナ阿部智代 遂にアナウンサー復帰ならず、引退」
- 第十九回 「さすが五輪招致の功労者、鉄壁の防御でこれが限界か、滝川クリステル」
- 第二十回 「あの上昇志向の塊、皆藤愛子がお堅い番組に超ミニ出演でパンチラ」
- 第二十一回 「フリーアナウンサー美馬怜子 武豊に仕掛けたハニートラップ策略 世間にバレバレ、非難のド壷」
- 第二十二回 「清純演技派の石田ゆり子にこの翳りの透けるエロパンティを 穿かせたのは誰だ…」
- 第二十三回 「祝!北川景子、ご結婚パンチラ 共演者キラーの勲章を返上」
- 第二十四回 「歌姫・浜崎あゆみ、チラリどころかテレビ史上最大のパンティ面積を公開」
- 第二十五回 「小林麻耶、36歳のブリッコ超ミニ・熱烈応援」
- 第二十六回 「長澤まさみ、伊勢谷友介と破局で 再びミニスカ魂に火が着いた!」
- 第二十七回 「2016世相ブラ発表 あまりにも下半身がなおざりですよ」
- 第二十八回 「アメリカのアイスホッケーは肉弾戦だが試合途中の氷上整備は超ミニで息抜き」
- 第二十九回 「伊勢谷友介と破局してから やっぱりエロ全開の長澤まさみ」
- 第三十回 「ザイナ・ドリディと三田佳子」
- 第一回 「私のネタ作り」
- 第二回 「外でシコる」
- 第三回 「死者でシコれるか」
- 第四回 「偽装問題」
- 第五回 「人間に生まれて」
- 第六回 「息子がシコりまくっていたら」
- 第七回 「乳を吸うのはかっこ悪い?」
- 第八回 「Facebook」
- 第九回 「女に生まれ変わったら」
- 第十回 「シャブSEX」
- 第11回 「ワールドカップ」
- 第12回 「夏場は特にお気をつけください」
- 第13回 「ここにキスして」
- 第14回 「心霊写真」
- 第15回 「抜き差しならない」
- 第16回 「マンコ」
- 第17回 「ニュース」
- 第18回 「細い脚」
- 第19回 「マン毛」
- 第20回 「娘がヤリマンだったら」
- 第二十一回 「オナニー」
- 第二十二回 「ヘヴィメタル」
- 第二十三回 「便意」
- 第二十四回 「妄想SEX」
- 第二十五回 「報道被害」
- 第二十六回 「春画」
- 第二十七回 「夢精」
- 第二十八回 「再生」
- 第二十九回 「抱負」
- 第三十回 「ベッキー」